私はマイクロM&A士協会の代表を務めています。令和3年9月1日に設立したこの協会は、全国の税理士・士業事務所を会員とし、マイクロM&Aの普及を目的としています。
協会を立ち上げた直接のきっかけは、一つの廃業でした。私が一税理士としてM&A支援をしていた頃、山形県の土産物店から相談の問い合わせがありました。しかし物理的な距離がネックとなり、対応できないまま、その店は廃業してしまいました。「近くにM&Aのノウハウを持つ税理士がいれば、この廃業は防げたはずだ」——その思いが、協会設立の原点です。
税理士にしかできない理由がある
マイクロM&Aの支援には、税理士の力が必要だと考えています。
譲渡額が数百万円規模のM&Aは、民間の仲介会社には採算が合わず支援の対象外となります。しかし税理士には財務会計の知見や顧問先との信頼関係があるため、広告費や固定費をかけずに支援できる構造があります。そして何より、長年の顧問関係を通じて経営者の信頼をすでに得ている。長く付き合いのある税理士からの提案だからこそ、経営者は初めてM&Aを真剣に検討するのです。
それでも現状では、マイクロM&Aに対応できる税理士は全国に極めて少ない。この担い手不足を解消することが、協会設立の目的でもあります。
協会の活動と実績
協会では会員向けの研修・同行支援、案件情報の共有、公開セミナーの開催などを行っています。私自身の事務所では約3年間で14件のM&Aを支援し、11件を成立まで伴走しました。成約率は75%以上。不動産賃貸・介護デイサービス・飲食・音楽教室など、業種を問わず実績があります。
こうした取り組みはNHK「おはよう関西」およびNHKラジオ「NHKジャーナル」でも取り上げていただきました。
